アメリカ大統領選でいま、民主党、共和党いずれの候補者も支持したくない、“ダブルヘイターズ”と呼ばれる有権者の動向が注目を集めています。「他に誰かいないの?」という切実な声すら聞こえてきています。
アメリカ ハリス副大統領
「みなさんの支援があれば、私たちは11月の大統領選に勝利できるはずです」
投票まで70日を切るなか、ハリス氏の登場で勢いを増す民主党。
民主党の代議員
「ハリス氏のメッセージは的を射ていて、今まさに国民が求めている人物だと思います」
しかし、支持率では共和党のトランプ氏と接戦が続いています。
そこでカギを握るのが…
どちらも支持せず
「悪い候補者のうち、どちらがまだ良いかを決めるような状況です」
民主、共和いずれの候補者も「嫌だ」という「ダブルヘイターズ」と呼ばれる人たちの動向です。
世論調査によると、「ダブルヘイターズ」の割合はバイデン氏撤退前の5月には成人全体の25%と、調査開始以来、最多となったのです。
バイデン氏・トランプ氏、2人の再戦にうんざりしていた世間の声を反映し、こんな人まで。
「(Q.あなたの名前は?)Literally Anybody Else」
リテラリー・エニバディ・エルスさん。日本語にすると「マジで他に誰かいないの?」さんです。
テキサス州の高校の数学教師でしたが、裁判所に申し立て、「政治に抗議の意思を示すため」と認められ改名しました。いま、大統領選への立候補を目指しています。
「マジで他に誰かいないの?」さん
「誰かが立ち上がって『誰もこの再戦を望んでいない』と意思表示をしなければならないと思ったのです」
投票の決め手に欠ける展開が続く中…
アメリカ ハリス副大統領
「アメリカ大統領候補への(民主党の)指名を受諾します」
トランプ氏の銃撃事件に加え、民主党の候補者がハリス氏に代わったことで、“ダブルヘイターズ”は大きく減少。
それでも、依然14%はどちらの候補も支持していないといいます。
“ダブルヘイターズ”の人
「どちらも本当にやるべき仕事をしていないよ。パレスチナ問題やホームレスの解消、国民皆保険について何も方針を示していないじゃないか」
「マジで他に誰かいないの?」さんもまだ活動を続ける必要があるといいます。
「マジで他に誰かいないの?」さん
「有権者はハリス氏の政策に同意するでしょうか?彼女はまだ私の心を動かせてはいません」
“ダブルヘイターズ”は今後どう動くのか。専門家は9月が正念場だと指摘します。
ジョージ・ワシントン大学 ピーター・ローグ准教授
「多くの“ダブルヘイターズ”は、ハリス氏の好感度が高いので、ハリス氏に傾いています。過熱した報道が落ち着いて、ハリス氏がどんな人なのかを有権者が知り始めた時からが本当の選挙戦です。まだ、ハリス氏の人柄はよく知られていないからです」
来月には討論会で初めて直接対決する二人。
“ダブルヘイターズ”の心をどちらがつかむのでしょうか。
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