岸田総理は14日、記者会見を開き、9月の自民党総裁選への不出馬を表明した。自民党派閥を巡る裏金事件で、内閣支持率が低迷していることが背景にあるとの指摘も見られる。時事通信社が8月2日から5日に実施した世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比で3.9ポイント増の19.4%。3カ月ぶりに上昇に転じた。不支持率は同4.8ポイント減の53.6%となった。岸田総理は14日、「政治とカネは大変重要な問題で、誠心誠意、取り組んだつもりだが、政治家としてやりたかったこと、やるべきことを今一度、しっかりと整理し方向性を示す。それだけは、総裁選挙から撤退するにあたっても、しっかりと示していく。そういった政治家の意地みたいなものはあった」と語った。岸田総理は15日、閣僚懇談会後に総裁選に言及し、「閣僚の中には、名乗りを上げることを考えている人もいると思う。気兼ねなく、堂々と論戦を行ってほしい」と述べ、活発な政策論争を求めた。

9月に予定される自民党総裁選には、現役閣僚や党幹部ら11人が立候補に意欲を示すなど、乱立の様相となってきた。小林鷹之前経済安全保障担当大臣(49)が19日にも、記者会見を開き、立候補を表明することを固めている。国民からの人気が高い石破茂元幹事長は14日、「推薦人20人が集まれば出馬する」と、意向を示した。石破氏は15日、BSフジの番組に出演、立候補に必要な推薦人の確保について言及し、「よし、やろうと言ってくれる人は、目途はつきつつある。ようやく20人というのではなく、多くの国会議員の支持をもらわなければいけない」と実情を明かした。現時点において、小林鷹之前経済安全保障担当大臣、石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境大臣、茂木敏充幹事長、河野太郎デジタル大臣、上川陽子外務大臣、林芳正官房長官、高市早苗経済安全保障担当大臣、野田聖子元総務大臣、齋藤健経済産業大臣、加藤勝信元官房長官の11人が、総裁候補に浮上する可能性が指摘されている。
★ゲスト:久江雅彦(共同通信特別編集委員)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)

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