ロシア西部クルスク州に越境攻撃を展開するウクライナ軍は13日夜、同州やその周辺の飛行場などを狙い、無人機などによる攻撃を実施した。ウクライナ側からロシア領内への空襲としては、2022年2月にロシアの侵攻が始まって以来、最大規模だという。
ロイター通信によると、ロシア国防省は14日、露西部のクルスク、ボロネジ、ベルゴロド、ニジニノブゴロドの4州に襲来したウクライナの無人機117機やミサイルを撃墜したと発表した。
ウクライナ当局も、各地域にある飛行場の燃料庫や武器庫を狙い、攻撃したことを認めた。ロシア軍の攻撃能力を奪うのが目的とみられる。
ウクライナ政府高官は14日、クルスク州に「緩衝地帯」を設ける考えを示した。ウクライナ側への攻撃を防ぎ、国境地帯の住民を守る狙いがある。
また、ウクライナとロシア双方の市民が避難できる「人道回廊」の設置も計画しているという。人道支援物資を提供し、赤十字国際委員会(ICRC)や国連機関の活動も認める。
ウクライナ軍は6日に国境を越えて以来、ロシア領内を約30キロ進んでいるとされる。ウクライナのゼレンスキー大統領は14日も「複数の地域で1~2キロ前進した」と発表した。ただ、ロシア軍も態勢を整える中、進軍速度は鈍りつつある。【ブリュッセル岡大介】
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