アメリカ議会下院はロシアの侵攻が続くウクライナ支援のための緊急予算案を可決しました。また、イスラエル、台湾を支援するための緊急予算案も可決されました。
「賛成311票、反対112票、予算案は可決されました」
アメリカ議会下院は20日、ウクライナ、イスラエル、それに台湾などインド太平洋地域を支援する3つの緊急予算案を、いずれも超党派の賛成多数で可決しました。
ウクライナ支援のための緊急予算案はおよそ600億ドル、日本円で9兆円を超える支援を行う内容で、一部は返済義務のある融資の仕組みをとりました。イスラエルへの支援にはおよそ260億ドル、台湾などインド太平洋地域の支援にはおよそ80億ドルがあてられます。
アメリカのウクライナ支援予算は去年の年末に底をつき、その後も与野党の対立で予算案の審議が進んでいませんでした。予算案が上院でも可決され、成立すればアメリカの支援が再開します。
与党・民主党が多数を占める上院は23日にも予算案を採決する見通しで、バイデン大統領は「ウクライナに迅速に武器や装備を送れるよう、上院には速やかに予算案を可決するよう求める」との声明を発表しました。
一方、下院でのウクライナ支援の予算案の採決では野党・共和党の半数以上が反対に回りました。支援に反発していた共和党内の保守強硬派の議員は予算案の可決を進めたジョンソン下院議長を「裏切り者だ」などと批判していて、解任を求める動きを活発化させる構えを見せています。
アメリカ議会下院での予算案可決を受けて、ウクライナのゼレンスキー大統領は、SNSに「アメリカの下院で可決された重要な支援の法案は戦争の拡大を防ぎ両国がより強くなる助けとなる」と投稿し、謝意を示しました。
また、「法案が早くバイデン大統領の机に提出されることを望む」として予算案の早期成立への期待を示しています。
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