ウクライナによるロシア国内への越境攻撃から1週間、その狙いが2つ見えてきました。
■プーチン大統領にとって予期せぬ事態
プーチン大統領 この記事の写真は7枚 ロシア プーチン大統領「国務省の任務は、敵を我々の領土から追い出し、国境警備隊と共に国境を確実に守ることだ」
ロシアは現在、国境を守ることができていません。ウクライナが国境を越えてロシアに攻撃を仕掛けてから1週間。ウクライナ軍の総司令官は、ロシア領内の支配地域を拡大しているとしています。
ウクライナ シルスキー司令官 ウクライナ シルスキー司令官「私たちはクルスク地域の領土での攻撃作戦を続けています」
「現在、ロシア領の約1000平方キロメートルを支配下に置いています」
ウクライナが攻撃を仕掛けているのはロシア南西部のクルスク州。ロシア側では12万人以上の住民が避難したと言います。
クルスク州 避難する人々ウクライナは、これまでも越境攻撃はしてきました。ただしロシア領内の集落を制圧し、足場を築くのは初めてのことです。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア・クルスク州が、ウクライナに対する攻撃の拠点になっているとしています。
ウクライナ ゼレンスキー大統領 ウクライナ ゼレンスキー大統領「ロシアのテロリストがいる場所、攻撃を仕掛けてくる場所を破壊するのは当然。例えばロシアの軍用基地や補給基地などだ」
ウクライナは、ロシアの重要な天然ガス施設がある都市、スジャも制圧したとしています。
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■最大規模の越境攻撃 狙いは?■最大規模の越境攻撃 狙いは?
外報部 部長 大平一郎 外報部 部長 大平一郎「ウクライナの今回の越境攻撃の目的は主に2つあります。」
「1つは、ウクライナは東部前線で劣勢が続いています。ロシア軍の戦力を越境攻撃で分散させたい」
「もう1つはロシアの国内で国境も防衛できなかったのかと、不安感をあおりたいという目的もあるんじゃないか」
「このままウクライナ軍が自国の領内に進軍を続ければ、ロシア軍も部隊の再編を余儀なくされる」
ロシアが、ウクライナへの全面侵攻を始めて、すでに2年半が経とうとしています。8月11日にはロシアが占拠するザポリージャ原発で火災が発生、ウクライナはロシアが敷地内に放火したと主張しています。
ザポリージャ原発 この記事の写真を見る(7枚)鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。