電気自動車大手「テスラ」を名乗る偽サイトの画面。マスク氏によるトランプ前大統領のインタビュー企画に便乗し、仮想通貨(暗号資産)の窃取を目的としたとみられる

 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領が実業家のイーロン・マスク氏のインタビューを受ける企画に合わせて、マスク氏が「仮想通貨(暗号資産)を送金してくれれば、倍額を送り返す」と呼びかける偽の動画が配信された。仮想通貨をだまし取るのが目的だったとみられる。

 ユーチューブで配信された偽動画は、マスク氏が聴衆を前に演説している映像に、マスク氏に似せた音声を付けていた。マスク氏がX(ツイッター)でトランプ氏のインタビュー配信を予定していた時刻に合わせてライブ配信され、予定より大幅に遅れてインタビューが始まった後も、並行して視聴されていた。

 動画のアカウントはマスク氏が経営する電気自動車(EV)大手テスラを名乗っており、送金を誘導するテスラの偽サイトも用意されていた。被害規模は不明だが、数万人以上が視聴していた。【ワシントン秋山信一】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。