ウクライナによるロシア西部への越境攻撃が続く中、ロシア当局は住民7万6000人以上が避難したと明らかにしました。

ウクライナと国境を接するロシア西部クルスク州では、ウクライナ軍が今月6日からこれまでで最大規模とされる越境攻撃を行っています。ロシア側も戦車などの追加の部隊を派遣すると発表していて、激しい攻防が続いているとみられます。

こうした中、ロシア非常事態省は10日、クルスク州周辺の住民ら7万6000人以上が避難したと明らかにしました。

独立系メディアは、住民らが「現地では非常に激しい戦闘が起きている」としてプーチン大統領に支援を求めていると報じています。ロシア国防省はウクライナ側の進軍を阻止していると主張していますが、正確な情報が伝わっていないと現地で不満が広がっている可能性があります。

一方、ゼレンスキー大統領は10日、ビデオ演説を公開し、「戦線を侵略者の領土に押し出すための我々の行動について、総司令官から報告を受けた」と述べました。ゼレンスキー大統領が越境攻撃を認めたのは初めてとみられます。

また、ロイター通信によると、ロシアはクルスク原子力発電所敷地内で、ミサイルの破片とみられるものが見つかったとしてIAEA(国際原子力機関)に通報しました。

現時点で発電所への直接攻撃の証拠はないとしたうえで、「ウクライナの無謀な行動が世界の核産業全体を危険にさらしている」と批判しています。

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