共同訓練を実施するフィリピンとベトナムの沿岸警備隊=ロイター

 南シナ海の領有権をそれぞれ主張するフィリピンとベトナムの沿岸警備隊が9日、マニラ湾近海で初の共同訓練を実施した。両国の権益主張海域は一部重なるが、協力することで、同海で覇権的な動きを強める中国をけん制するねらいがあるとみられる。

 両国は1月、フィリピンのマルコス大統領がベトナムを訪問した際に、沿岸警備隊の協力強化で一致。今回は、ベトナム側から約80人が捜索救助・防火の共同訓練に参加した。

 共同訓練の意義について、比沿岸警備隊のバリロ報道官は5日の歓迎式典で、「(領有権を争う)ライバルでも協力しあえるということを示せる」と強調。ベトナム海上警察のホアン・クオック・ダット第2管区副司令官は、国際法に沿った海上法執行の重要性に触れた上で、「相互利益のための協力関係を強めることになる」と説明した。【バンコク石山絵歩】

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