就任宣誓式に臨むノーベル平和賞受賞者のユヌス博士(右)=バングラデシュの首都ダッカで2024年8月8日、ロイター

 反政府デモによりハシナ前首相が辞任に追い込まれたバングラデシュで8日、ノーベル平和賞受賞者、ムハマド・ユヌス博士(84)が率いる暫定政権が発足した。デモを主導した学生団体の幹部らも暫定政権のメンバーに名を連ねた。

 シャハブッディン大統領は学生団体の要請を受け、ユヌス氏を首席顧問に指名していた。ロイター通信によると、ユヌス氏は8日に滞在先のフランスから帰国し、首都ダッカの空港で「学生たちが示す道が何であれ、その通りに進む」と語った。同日夜、大統領官邸で就任宣誓式に臨んだ。

 一方、ハシナ氏が滞在している隣国インドのモディ首相は8日、X(ツイッター)でユヌス氏の就任に祝意を示した上で「ヒンズー教徒をはじめとする少数派コミュニティーの安全と保護を確立し、正常な状態を早期に取り戻すことを願っている」と投稿した。

 インドメディアによると、政権崩壊の混乱の中で、バングラでは少数派のヒンズー教徒や寺院などへの襲撃も相次いだという。【ニューデリー川上珠実】

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