米民主党副大統領候補のワルツ・ミネソタ州知事=6日、ロイター

 民主党の副大統領候補選びで、西部ミネソタ州のワルツ知事(60)が選ばれた決め手は何だったのか。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、最終選考に残っていたのはワルツ氏のほか、東部ペンシルベニア州のシャピロ知事(51)、西部アリゾナ選出のケリー上院議員(60)だった。陣営内部の分析では、誰と組んでも「勝てる」と見ていたという。

 米メディア「ポリティコ」によると、決め手となったのは4日に行われた大統領候補のハリス副大統領(59)との面談だった。ワルツ氏は「もしレンガの壁を走り抜けないといけないのであれば、私は喜んでそうします」と語ったという。

 バイデン大統領の忠実な「2番手」の役割をこなしてきたハリス氏にとって、ワルツ氏の忠誠心は副大統領職に適任だった。「アメリカンフットボールのコーチ、軍人、高校教師」などの経歴も申し分なく、ペロシ元下院議長もワルツ氏を推していたという。

 一方、下馬評では「最有力」との見方もあったシャピロ氏だが、ユダヤ系であることから、親パレスチナのグループが反対していた。また本人は内心では副大統領候補を受けることにより慎重な様子で、その役割や責任についてたずねていたという。将来的に大統領を目指しているとの見方もある。

 6日にハリス氏とワルツ氏が初めて一緒に遊説したペンシルベニア州フィラデルフィアの会場で複数の参加者に話を聞くと、シャピロ氏の地元ではあるが、ワルツ氏の起用におおむね賛成していた。

 元警察官のクリスティン・ニューマンさん(52)は「パレスチナ自治区ガザ地区で続く戦闘を巡って国内の世論が割れていることを考えると、ユダヤ系のシャピロ氏を起用しないのは正解だと思う」と話した。【フィラデルフィア松井聡】

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