北朝鮮国営の朝鮮中央通信は5日、核搭載可能な新型戦術弾道ミサイルの発射台250台を、韓国との軍事境界線付近で任務にあたる部隊に引き渡す記念式が4日に平壌で行われたと報じた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記も出席し、「敵の無分別な挑発行為に対する確実かつ圧倒的なけん制力を保有することができた」と演説し、米国や韓国をけん制した。
金氏は発射台を1年間で大量生産したことを「(北朝鮮の)国防工業の潜在性と威力を示すのに十分」と評価。部隊に対し、装備を効果的に運用するための実戦訓練を指示した。
また、金氏は米国が韓国や日本と同盟関係を強化しているとして「防衛産業の進歩はさらに加速しなければならない」と指摘。米国と「対話をしようが対決しようが、強力な軍事力の保有は主権国家の義務であり権利だ」とも強調した。その上で、核戦力を高度化させて米国の脅威や経済制裁に効果的に対抗することが「経済発展と人民生活向上により多くの投資を回すための最善の方法だ」と述べた。
北朝鮮では、7月下旬に豪雨被害が発生。韓国政府は死者・行方不明者が1000人を超えると推計している。金氏は記念式に先立って行った発射台の視察で、国をあげて復旧に取り組む中で記念式を行ったことについて「国防力強化をいかなる環境下でも遅れなく推し進める意志を示すもの」と説明した。【ソウル日下部元美】
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