北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、金正恩（キムジョンウン）朝鮮労働党総書記が28日に北西部・平安北道（ピョンアンプクド）の新義州（シンウィジュ）の洪水被害現場を視察したと報じた。27日に北朝鮮北部であった記録的な豪雨により、川が氾濫し、約5000人が孤立したという。
同通信によると、被害が確認された後、金氏は政府や軍の幹部などを現地に派遣。自身も航空基地で飛行部隊の救助活動の指揮をとり、約4200人を救出したという。金氏は平安北道などを「特級災害非常地域」に指定し、更なる被害の防止や復旧事業に取り組むよう指示した。
更に金氏は、「洪水被害防止対策を全く立てず、災害を招いた」として、国や地方の幹部を「厳しく」叱責した。22日に国家非常危機対策委員会を開催したことにも言及し、同委員会が「形式だけで機能と役割を果たせずにいる」と指摘。「災害防止事業を単純に自然との争いではなく、政治的な問題として深刻に受け止め、対策を立てればいくらでも事故を防止することができる」と強調した。【ソウル日下部元美】
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