オリンピックの開会式を控えたフランスの高速鉄道で放火が発生、「交通まひを狙った攻撃」だということです。現在のパリ市内の様子について報告です。

 (神志那諒記者報告)
 フランスの高速鉄道「TGV」のモンパルナス駅はモンサンミッシェル方面に向かう列車も始発駅となっていて、利用客はかなり多く普段は一日20万人前後だということです。

 現在、この駅を発着するほぼすべての列車で2時間から3時間の遅れが出ています。

 今、乗客の皆さん、駅の中に入っていきますが、駅構内では多くの乗客が足止めをされていて、不安そうに掲示板を眺めています。

 そして、このモンパルナス駅の南西部へおよそ150キロの場所で放火があったということです。その影響で、このモンパルナス駅は朝から列車にかなり影響が出ています。フランスの高速鉄道全体で80万人の利用客に影響が出ているということです。

(Q.放火に関して誰の犯行かは分かっているのか?)
 まだ犯人の特定という情報は入ってきていませんが、高速鉄道「TGV」の3路線で放火または妨害行為があったということです。

 そして、国鉄のトップと運輸省のトップが緊急会見をこの駅で開きました。

 その情報によりますと、TGVの3路線合わせて3カ所でほぼ同時に攻撃を受けたと、そして他の路線でも不審者を見つけて、その路線では攻撃を防いだと話していました。

 そして、まだ完全な復旧のめどは立っていないということで、利用客に対しては、なるべくTGVを利用しないで下さいと呼び掛けていました。

 この時期は、夏のバカンスということもあり、もちろんオリンピックの開会式に向けて色んな人が利用されますが、同時にパリ市内から郊外、近郊の方に列車を使う人もいて、かなり多くの利用客がいる状況でした。

 まさに悪意のある組織的な行為の可能性もあると、国鉄のトップや運輸省のトップも話していて、今後、捜査をすると内務省も明言しています。

(Q.組織的な犯行ということだが、どのように報じられているのか?)
 今のところ組織的な悪意のある行為というような表現に地元メディアはとどめています。

 今のところ3カ所での同時の攻撃、そして1カ所での不審者ということですが、被害者であるとか、そうした情報はまだ入ってきておりません。

 最初は「いたずら」という表現も使うメディアもありましたが、今のところ犠牲者や被害者が出ていないということで、まだテロと断定するようなことにはなっていません。

 ただ放火ということで、普通のいたずらとは明らかにレベルが違うような行為だということで、警察は今後、捜査を徹底的にすると発表しています。

(Q.オリンピックの開会式まではあと10時間を切ったが、オリンピックの影響はどうか?)

 モンパルナス駅にもオリンピックのポスターが貼られていたり、利用客は1日券や7日券などの定期券、フリーパスのような回数が無制限で使えるような切符なども販売していて、かなりオリンピックムードも高まっていました。開会式の当日、その混乱を狙った事件という可能性も大いに考えられると思います。

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