11月の米大統領選で民主党の候補指名を確実にしているハリス副大統領は25日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談した。ハリス氏は会談後、記者団に対し「イスラエルには自衛権がある」とする一方、パレスチナ自治区ガザ地区の人道状況については「悲惨な現状に対する懸念をはっきりと伝えた。私は黙ってはいない」とも強調した。
イスラエルの後ろ盾となってきたバイデン政権に対しては、米国内でも批判が高まっている。大統領選への影響も指摘されており、ハリス氏の姿勢にも注目が集まっている。ハリス氏は会談後に声明を読み上げ、人道状況の改善や、バイデン政権が発表した停戦案で合意するよう求めた。
バイデン氏は長年、親イスラエルの立場を鮮明にしてきた。ガザ情勢を巡ってはネタニヤフ氏との間であつれきもあったが、イスラエルには一部の爆弾輸送を取りやめたものの、大半の兵器供給を続けている。
ハリス氏の夫のエムホフ氏はユダヤ系で、ハリス氏自身も米政界に強い影響力を持つユダヤ系ロビー団体「米国イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」とつながりがある。対イスラエル政策を巡っても、バイデン氏とは大きくは変わらないとの見方が一般的だ。だがイスラエル寄りの姿勢を貫けば、若者やリベラルな民主党支持層が離れる可能性もあるだけに、難しい対応を迫られる。
ネタニヤフ氏は26日、トランプ前大統領とも会談する。【ワシントン松井聡】
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