バイデン米大統領は25日、訪米中のイスラエルのネタニヤフ首相とホワイトハウスで会談した。バイデン氏は、パレスチナ自治区ガザ地区で続くイスラム組織ハマスとの戦闘を巡り、停戦に応じるよう促した模様だ。来年1月までの任期中に停戦を実現し、「レガシー(遺産)」としたい考えがあるとみられる。
両首脳の直接会談は、昨年10月に発生したハマスによるイスラエルへの越境攻撃の直後以来。バイデン氏は当初、イスラエルのハマスに対する軍事作戦を全面的に支持したが、ガザの人道状況の悪化に伴い国内外の批判の矛先が自身にも向いた。5月末に停戦や人質の解放などを盛り込んだ包括的な停戦案を発表し、イスラエルとハマスに合意するよう迫っている。
カービー大統領補佐官は25日、イスラエルとハマスは「かつてないほど合意に近づいてる」とし、残る隔たりを埋めることは可能だとの認識を示した。米メディアによると、約1時間半の会談の冒頭で、バイデン氏は「話し合うことがたくさんある」とし、ネタニヤフ氏は「(バイデン氏の上院議員時代から)50年にわたるイスラエルへの支援に感謝する」と述べた。
ネタニヤフ政権には戦闘の継続を主張する極右勢力が含まれ、停戦に応じた場合は政権から離脱すると警告。ネタニヤフ氏は政治的な保身のために、戦闘を継続しているとの見方が根強い。【ワシントン松井聡】
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