江戸時代の金の採掘地で、山が割れたような姿の「道遊の割戸」(手前)と、「北沢浮遊選鉱場跡」などがある佐渡相川の街並み=新潟県佐渡市で2024年5月26日、本社ヘリから手塚耕一郎撮影

 日本政府が世界文化遺産登録を目指している「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)を巡り、日韓両政府は、朝鮮半島出身労働者に関する歴史を含む「全体の歴史」を現地の展示に反映することで大筋合意した模様だ。韓国の聯合ニュースが26日、韓国外務省関係者の話として伝えた。

 日韓両政府が合意すれば、21日からインド・ニューデリーで開催されている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、佐渡金山が世界文化遺産に登録される可能性が高まる。

 佐渡金山の登録を巡っては韓国政府が、朝鮮半島出身労働者について展示に反映させない場合、登録に反対するとの立場をとってきた。世界遺産の登録には21の委員国全ての賛成が原則必要で、日本政府は委員国の一つである韓国と水面下で調整を進めていた。

 韓国外務省関係者は韓国メディアに対し、日本側が「全体の歴史を反映すると約束しただけでなく、既にそのための実質的な措置を取っている」とも明らかにした。

 ユネスコは6月上旬、追加的勧告として、金山の「全ての時期を通じた全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設・設備等を整える」ことを求めていた。【ソウル日下部元美】

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