米連邦議会で演説したイスラエルのネタニヤフ首相=ワシントンで2024年7月24日、ロイター

 イスラエルのネタニヤフ首相は24日、米議会の上下両院合同会議で演説した。パレスチナ自治区ガザ地区で続くイスラム組織ハマスとの戦闘について、ハマスが武装解除し、人質が解放されるまで継続すると主張。戦闘終結後のガザについて、再入植は否定しつつ当面はイスラエルが管理すると表明した。

 ネタニヤフ氏は、時にイスラエルを批判しているバイデン米大統領について、「最も困難な時期に共に立ち向かった」として謝意を表明。その上で、イランや親イランの武装組織に対抗するため「イスラエルと米国は団結しなければならない」と述べ、支援の継続を求めた。米国とイスラエルに加えて、サウジアラビアなどとの「同盟」の必要性も訴えた。

 戦闘終結後のガザのあり方に関しては、当面はイスラエルが管理するものの、最終的には「(反イスラエルではない)パレスチナ人によって統治されるべきだ」との認識を示した。パレスチナが独立国家となる「2国家解決」には言及しなかった。

 演説では、米大使館をエルサレムに移転するなどイスラエル寄りの政策を進めたトランプ前大統領にも触れ、「イスラエルのためにしたこと全てに感謝したい」と称賛した。

 ネタニヤフ氏の米議会での演説は4回目で、英国のチャーチル元首相を抜いて外国指導者としては過去最多となった。イスラエルの軍事作戦を支持する多くの共和党の議員が立ち上がって拍手する一方、米メディアによると、軍事作戦に否定的な民主党の議員約80人が欠席。ハリス副大統領も以前から予定されていた別の行事に出席するため欠席した。

 ネタニヤフ氏は25日にバイデン、ハリス両氏と会談するほか、26日にはトランプ氏とも会談する。【ワシントン松井聡、エルサレム松岡大地】

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