台湾で毎年恒例の軍事演習「漢光演習」が22日、始まった。中国が軍事的な圧力を強める中、夜間の戦闘や補給・輸送などの兵たんを重視し、演習のシナリオを部隊に知らせない形で、実戦により即した内容で行う。演習は26日まで。
22日は早朝から、戦闘機や輸送機、軍艦が次々に基地を出発した。想定される中国の軍事侵攻では、最初にミサイルによる重要施設への攻撃が予想される。このため、戦力温存を目的に、戦闘機は台湾海峡に面した西部の基地から東部の基地へ移し、山中の待避壕(ごう)に収容した。民間からトラックを徴用して、軍需物資を守備拠点に輸送する訓練も実施した。
漢光演習は1984年に始まり、今年で40回目となる。4月に机上のシミュレーション演習、7月に実動演習を行う。
住民参加型の防空演習も台湾中部の自治体から始まり、各地で順次行われる。中部・台中市では22日午後1時半にサイレンが鳴り響き、ミサイル攻撃を想定した警報メッセージが住民らの携帯電話に届いた。街頭に展開した軍人が歩行者らに付近の防空施設への避難を指示し、街からは一時、人影が消えた。【台北・林哲平】
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