暗殺未遂事件から1週間。トランプ氏は事件後初めて一般向けの集会に参加、強烈な“トランプ節”が復活しています。一方、ホワイトハウス前ではバイデン大統領の大統領選撤退を求めるデモが起きています。

■「ペテン師バイデン」強烈トランプ節が復活

激戦州のミシガンで行われた、銃撃事件後初の選挙集会。トランプ前大統領は右耳を覆っていた白いガーゼを外し、絆創膏をつけて登場しました。
(トランプ前大統領)「わが国の史上最悪の大統領、ペテン師ジョー・バイデンは、過去の忘れ去られた記憶となる。今から話し合おう。もしあなた方が我々の立場なら、どの対抗馬が一番いい。もし勝ちたいなら、準備はいいですか。カマラ・ハリス。ペテン師ジョー・バイデン。これ以上、話をすすめる必要はないな。」
この日は “トランプ節”がさく裂。
(トランプ前大統領)「ところで彼女のことを私は“大笑いのカマラ”と呼んでいるが、あの笑い方を見たことがあるだろう?やつはクレージーだ。ナンシー・ペロシ(元下院議長)ほど重症ではないがな。ペロシがバイデンを売り飛ばそうとしているのは知っているだろう。やつはバイデンを犬みたいに捨てたんだ。どこまで暴走するか知らんが、どういう頭をしていたらああなるんだ。たぶん何をしたいのか、何をすればいいのか分からなくなったんだ。とにかく彼女(ペロシ氏)はトコジラミ並みに頭がおかしいんだ。」
矛先は、民主党内で起きている“バイデンおろし”にも…
(トランプ前大統領)「まさにこの時も、民主党のボスたちは党の予備選の結果を覆し、ペテン師ジョー・バイデンを投票用紙からはずそうと必死になっている。民主党は民主的な党ではない。民主主義の敵だ。党は腐敗している。私たちはバイデンについて、弱った老人であるかのように話すが、彼は実際そうだよな。彼の周りをファシストや共産主義者、そんな悪い連中が取り囲んでいるんだ。」
相手を攻撃するいつものスタイルを解禁したトランプ氏。

一方、数日前まで行われていた共和党大会では…耳に手を当てるお決まりのボーズ。アメリカの人気プロレスラー、ハルク・ホーガンさんです。
(ハルク・ホーガン氏(70))「俺の英雄に銃弾が放たれた。次期大統領を殺害しようとした。こんなことはもうたくさんだ。トランプ支持者たちよ、暴れ回ろう。アメリカを取り戻そう。再びアメリカを偉大な国にしよう」
トランプ陣営は聴衆に向け“団結”を呼びかけました。さらに…
(トランプ前大統領の孫 カイさん(17))「私にとって彼は普通のおじいちゃんです。キャンディーやソーダを親が見ていないときにくれます」
17歳になるトランプ氏の孫娘・カイさんです。
(カイさん)「多くの人がおじいちゃんを地獄に突き落としたけど、今も立ち続けています。おじいちゃん、あなたは私に力を与えてくれる。愛しています」
“団結”や“家族の絆”といったメッセージが打ち出される中、もう一つのワードも注目される大会となりました。
(フランクリン・グラハム牧師)「天にまします神よ。今夜、感謝の心をもって私たちはあなたの御前にいます。トランプ大統領の命を救っていただき、ありがとうございます。彼(トランプ前大統領)自身の言葉では、彼を救ったのはあなたに他ならないと」
“神に救われた人物”というイメージを強調し、広く有権者の取り込みを狙っているようにもみえます。
(トランプ前大統領)「今日からちょうど一週間前、ちょうど今と同じ時間帯だった。あなた方の前に立てているのは全能の神の恩恵としか思えない。それが真実だ。そうでなければ私はここにいなかったはずだ」

■「お別れの時」バイデン氏撤退求めるCMも

一方、新型コロナウイルスに感染し、現在も別荘で自主隔離を続けているバイデン大統領。「来週から選挙活動を再開することを楽しみにしている」と意欲を示していましたが…
(民主党系政治団体のCM)「バトンタッチし、私たちに候補者を選ばせてください。」
民主党系の政治団体がバイデン氏に撤退を求めるテレビCMの放送を開始。
(民主党系政治団体のCM)「国の未来は、あなたの手にかかっています」
「あなたらしく、リーダーのように振るまってバトンタッチしてください、ジョー。」
「バトンを渡して」
(デモ参加者)「今までありがとうジョー、お別れの時だ」
ホワイトハウス前ではバイデン氏の撤退を求める民主党支持者による集会も…
プラカードには「私たちはあなたを愛している。でももう時間だ」

さらに、動揺は“民主党の岩盤支持層”にも及んでいます。
130万人が所属する全米トラック運転手組合も2020年の大統領選でバイデン氏を支持していましたが…共和党大会に出席したオブライエン会長はトランプ氏を称賛しました。
(全米トラック運転手組合 オブライエン会長)「はっきりしているのはトランプ前大統領は、しばしば批判的な声にも恐れず耳を傾ける候補者だということ。人々に好かれようが嫌われようが暗殺未遂を考えると、トランプ氏が“タフなやつ”だと証明された」

▽クリントン夫妻 バイデン氏支持か現地報道
NBCテレビは20日、クリントン元大統領とヒラリー元国務長官がバイデン大統領を支持し、献金者に対しても支持の継続を働きかけていると伝えましたが…
ワシントンポストは「オバマ元大統領はここ数日、バイデン氏は真剣に撤退を考える必要があると考えている」と伝えていて、大統領経験者の間でも意見が割れているようです。
CNNは銃撃事件後の、最新の世論調査の結果を報じました。
(キャスター)「3週間前の討論会での悲惨なパフォーマンスの後で、少なくとも35名の民主党議員がバイデン氏に大統領選から撤退するよう求めています。数日前に行われた世論調査では、トランプ氏がかつてなく好調であることがわかります。全国、そして重要な激戦州において支持率が5%上がりました。」
全国的にはバイデン氏47%、トランプ氏が52%。もしバイデン氏が撤退しても、ハリス氏の48%に対しトランプ氏は51%といずれにしてもトランプ氏が上回る結果が出ています。
(政治アナリスト マイケル・ジェノヴィーズ氏)「民主党は壊滅的な状況にあります。民主党が結束できなければ、トランプ氏の『地すべり的勝利』となるかもしれません。」


7月21日『サンデーステーション』より

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