米国のジャック・スミス特別検察官=2023年6月9日、ロイター

 米国のガーランド司法長官が任命したジャック・スミス特別検察官は17日、南部フロリダ州の連邦地裁判事がトランプ前大統領の機密文書取り扱いを巡る裁判で起訴を棄却したことを不服として控訴した。判事は捜査を指揮したスミス氏の任命が違法だとする弁護側の申し立てを認める判断を示していた。

 トランプ氏は、2021年1月に大統領を退任した際、米軍の核兵器に関する情報を含む機密文書を同州の自宅に持ち出し、国立公文書記録管理局(NARA)の要請や連邦大陪審の召喚状による命令を受けても一部の文書しか提出しなかったなどとし、同法違反や司法妨害の共謀、文書の不正隠蔽(いんぺい)などの罪で起訴された。

 トランプ氏の弁護人は、司法長官が議会の承認なく特別検察官を任命したのは違法であり、起訴は無効だと主張。トランプ政権時に指名されたアイリーン・キャノン判事は今月15日、この主張を認めて起訴を棄却した。【ワシントン西田進一郎】

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