ドナルド・トランプ前米大統領を大統領候補に正式指名した米共和党の全国大会は2日目の16日、ニッキー・ヘイリー元国連大使ら候補指名を争った「ライバル」たちが相次いで登壇した。トランプ氏への揺るぎない支持を改めて訴え、政権奪還に向けた挙党態勢に弾みをつけた。
候補者指名争いで反トランプ票の受け皿となったヘイリー氏は、大きな歓声とブーイングが入り交じる中で登場した。冒頭に「トランプ氏から団結の名の下に演説を依頼され、喜んで引き受けた」と述べ、トランプ氏への「強い支持」を表明すると、会場の流れを引き寄せた。
穏健な保守層や無党派層から支持を集めるヘイリー氏は「トランプ氏に投票するのに常に100%賛成する必要はない」と言及。「私はトランプ氏に常に賛成するわけではないが、私たちは相違より一致することの方が多い」と強調し、トランプ氏への投票を促した。「私たちには救うべき国があり、国を救うには団結した共和党が不可欠だ」とも語った。
選挙戦でヘイリー氏はトランプ氏とジョー・バイデン大統領を「気難しい老人」と呼ぶなどして世代交代を訴えた。しかし、この日の演説ではトランプ氏の「タフさ」を強調する一方、6月末の第1回テレビ討論会で不明瞭な発言を繰り返したバイデン氏の高齢不安を攻撃した。
米メディアによると、ヘイリー氏は当初、党大会に招待されていなかった。登壇は13日にトランプ氏が銃撃された事件を受けて決まったと報じられている。
ヘイリー氏より一足先に指名争いから撤退したフロリダ州のロン・デサンティス知事も登壇し、「ジョー・バイデン(大統領)を地下へ送り、ドナルド・トランプをホワイトハウスに送り返そう」と呼びかけた。
トランプ氏はこの日、ヘイリー氏らの演説直前に貴賓席に姿を現し、副大統領候補に起用したJ・D・バンス上院議員らと共に演説を見守った。【米中西部ウィスコンシン州ミルウォーキー八田浩輔、秋山信一】
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