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トランプ前大統領への銃撃事件をめぐり、容疑者の男が発砲する前、警察官が制止を試みましたが、銃口を向けられ断念していたことが分かりました。

■「私は死んでいるはずだった」

15日からウィスコンシン州で始まる共和党大会。現場に漂うのは高揚感ではなく緊迫感です。

「普段は開放的なレストラン街も封鎖されています。会場の目の前にはテントがはられ、警察当局・捜査当局が集まって、入ってくる人たちをチェックしています」

トランプ氏は18日に共和党の候補指名を正式に受諾する予定です。すでに現地入りしていますが、移動中の機内でNYポストの取材に対し、このように話しました。

トランプ氏(ニューヨーク・ポスト:14日)
「私はここにいるはずではなかった。死んでいるはずだった」

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■弾道が1センチずれていたら…

■弾道が1センチずれていたら…

銃撃があったのはニューヨークから西に500キロ、ペンシルべニア州バトラー。13日午後6時11分。トランプ氏が演説を始めて6分21秒後のことでした。トランプ氏は右耳に被弾したとされ負傷。弾道があと1センチずれていたら頭部に直撃していたとの分析があります。ちょうど横を向いたタイミングだったため、最悪の事態を免れたようです。

ただ、聴衆には犠牲者が出ました。重傷が2人、死亡が1人です。元消防士のコーリー・コンぺラトーレさん(50)が流れ弾に当たって亡くなりました。

コンペラトーレさんの同僚
「彼の存在は大きかった。誰にでも積極的に手を差し伸べる人で、身をていして家族を銃撃から守りましたが、赤の他人に対しても同じようにしたでしょう」

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■犯罪歴なし 20歳男の車に爆発物

■犯罪歴なし 20歳男の車に爆発物

銃撃の現場となったのは大規模な野外イベントなどが行われる場所です。演台は見通しのいい開けた所に置かれていましたが、140メートルほど離れた所には工場の建物があり、容疑者はここからトランプ氏を狙いました。

容疑者の男は近くにいた人たちに目撃されています。

目撃者
「トランプの声が聞こえたので、あちらへ歩いていくことにしました。木の側で木陰に入って立ち、集会を聞いていました。そこで男が後ろの建物の屋根の上をクマのようにはい上がるのに気付いた。(Q.銃を持っていた)私たちは『ライフルを持った男が屋根にいるぞ!』と言いましたが、警察は『え?何?』という感じで、何が起きているか分かっていなかった。私たちは『すぐそこの屋根の上だ!そこにいる!はっている!』という感じ。(Q.屋根の上の男が撃ったことは確かか)100%そうです」

通報を受けた警察官は屋根の上ろうとしますが、容疑者から銃口を向けられたため、撤退せざるを得なかったといいます。容疑者は発砲後、警護にあたっていたスナイパーによって即座に射殺されました。

FBIによると、トーマス・クルックス容疑者(20)。現場から車で1時間ほどの中流階級が多く住むエリアに自宅があります。自宅や車からは爆発物が見つかっています。

介護施設の職員をしていたクルックス容疑者ですが、仕事ぶりは真面目だったといいます。犯罪歴はなく、高校では理数系科目の成績優秀者として表彰されています。その一方で…。

高校の同級生
「容疑者と話したことはないが、いつも独りぼっちで、毎日いじめられていて、のけ者扱いでした。昼食時も仲間外れで、大した理由もなく、いじめの標的にされるタイプでした。(Q.容疑者はクラブ活動をしていたか)私の弟と同じで射撃部に所属していました」

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■軍隊仕様の銃『AR-15』とは?

■軍隊仕様の銃『AR-15』とは?

トランプ氏の銃撃に使われたのは、父親が購入していた『AR-15』というアサルトライフルでした。全米で2000万丁以上が流通しているとされ、過去には銃乱射事件でもたびたび使われてきた物になります。

ショップオーナー
「ARは軍隊仕様で、戦場でも携帯可能で、大量の銃弾を発射できます。照準を合わせれば、反動も少なく簡単に撃てます。風向き・高低差・標的の動きなども考えると難しいが、不可能ではなかったはずです。(Q.AR−15では遠すぎると思うが)AR−15なら可能です」

共和党員だったというクルックス容疑者。なぜトランプ氏を狙ったのか、その動機は分かっていません。父親はCNNの取材に対して「何が起こっているのかを把握している段階だ。法的機関と話す前に息子のことについては話さない」と答えています。

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■父親のライフル使用で身元判明

■父親のライフル使用で身元判明

現地メディアによると、クルックス容疑者は銃愛好家が集まるガン・クラブの会員でした。容疑者の自宅周辺はガン・クラブが多く、狩猟が盛んだということです。

地元警察によると、父親が購入したライフルを犯行に使用したため、そこから身元の判明につながったということです。

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