中国国旗=ゲッティ

 中国国家統計局が15日発表した2024年4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質で前年同期比4・7%増だった。事前の市場予測(約5・0%)を下回り、成長率は1~3月期(5・3%)より減速した。

 1~6月期では5・0%増で、中国政府が3月に発表した年間の成長率目標(5・0%前後)並みとなった。ただ、長期化する不動産不況や所得、雇用の伸び悩みで、国内需要は低迷し続けており、外需依存には危うさもつきまとう。

 前期比でも0・7%増と1~3月期(1・5%増)を下回った。生活実感に近いとされる名目GDPは4・0%増で、実質成長率を下回る「名実逆転」は5四半期連続。デフレ圧力の根強さを示した。

 GDPと同時に発表された経済指標によると、1~6月の不動産開発投資は前年同期比10・1%減で、1~3月(9・5%減)よりマイナス幅が拡大した。住宅や商業施設などの販売面積も19・0%減と1~3月(19・4%減)並みの低水準。中国政府は5月中旬に地方政府による住宅在庫の買い取り方針などを示したが、住宅市場の低迷が続いている。

 個人消費の動向を示す社会消費品小売総額も、1~6月は3・7%増にとどまり、1~3月(4・7%増)より減速した。

 一方、1~6月の鉱工業生産は6・0%増だった。電気自動車(EV)など新エネルギー車や太陽光電池などが好調で、輸出(人民元ベース)も6・9%増だった。ただ、欧米は中国製EVなどの過剰生産を問題視、関税引き上げに動いており、今後影響が出る可能性もある。

 4~6月期のGDPの発表はウェブサイトのみとなり、通常実施する記者会見は見送った。ウェブサイトのみの公表は、22年7~9月期以来。15~18日に開く中国の重要会議、第20期中央委員会第3回総会(3中全会)と関係している可能性がある。【北京・小倉祥徳】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。