アメリカ大統領選挙に大きな影響を与える衝撃的な事件が起きました。選挙集会で演説中のトランプ前大統領が銃撃され、右耳にけがをしました。
■トランプ前大統領 銃撃される
周りを取り囲まれ、地面にうずくまるトランプ前大統領。その頬には血が流れています。
事件はアメリカ大統領選の激戦区、ペンシルべニア州で起こりました。
共和党 トランプ氏
「大観衆じゃないか。素晴らしい大観衆じゃないか」
会場がひと際盛り上がるなか、トランプ氏の演説が始まっておよそ6分後でした。突然響き渡る銃声。耳に手をあててうずくまるトランプ氏。銃声が響くなか、会場は騒然としていました。
その後、シークレットサービスに支えられながら立ち上がったトランプ氏。その右耳周辺は出血で赤く染まっていました。
トランプ氏
「靴を履かせてくれ」
その後、こぶしを振り上げ、自ら歩いて車に乗り込みました。トランプ氏は搬送された病院からSNSを更新。
トランプ氏のSNS
「私は右耳の上部を貫通する銃弾を受けた。ビューと風を切る音が聞こえ、銃弾が皮膚を裂くのを感じたことで、すぐに何かがおかしいと気づいた」
ロイター通信によりますと、FBI(アメリカ連邦捜査局)はペンシルベニア州に住む20歳のトーマス・クルックスを容疑者と特定し、またCNNでは、クルックス容疑者は集会会場に隣接する建物の上にいて、発砲直後、シークレットサービスに射殺されたということです。
トランプ氏の命に別状はありませんでしたが、集会参加者の1人が死亡し、2人が重体です。
演説していたのはペンシルベニア州バトラーのイベント会場。現地メディアによりますと、この場所は大規模な農業フェアなどが毎年行われていて、多い日で1万5000人が詰め掛けるといいます。
発砲があったとみられる場所はトランプ氏が演説していた会場の北にある建物の屋上、およそ125メートル離れた所です。
容疑者を見ていた男性
「男が建物の屋根をはい上がって行くのに気がついた。ライフルを持っているのが分かった。『ライフルを持った男がいるぞ!』と言いましたが、警察は『え?何?』という感じで、分かってないようだった。なぜトランプはまだしゃべっているのか?と思った。なぜ彼をステージから引きずり降ろさないのかと」
■全米震撼…大統領選に影響必至
今回の銃撃事件をバイデン大統領は強く非難。
バイデン大統領
「アメリカはこのような暴力が許される場所ではない。うんざりだ」
4カ月後に迫った大統領選にも大きな影響を与えそうです。
ワシントン支局 小島佑樹記者
「トランプ氏は、今後の選挙日程を予定通りこなすことで事件に屈しない強い姿勢を示そうとしています。一方、バイデン陣営ですが、トランプ氏の危険性を訴えることを軸に選挙戦を展開する方針でした。事件を受けてトランプ氏を批判するテレビ広告の一部を取りやめるなど、戦略の見直しを余儀なくされている。民主党がトランプ氏への批判を制約せざるを得なくなれば、トランプ氏に有利に働くことになる」
すでにトランプ氏は医療施設を離れ、ニュージャージー州の空港に到着する姿が公開されました。
(C) CABLE NEWS NETWORK 2024
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