11月の米大統領選に向けた第1回候補者テレビ討論会が27日夜(日本時間28日午前)、南部ジョージア州アトランタで開かれる。顔ぶれは2020年の前回大統領選と同じ。再選を目指す民主党のジョー・バイデン大統領(81)と、返り咲きを狙う共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が4年ぶりに直接対決する。
90分間の討論会で最も注目されるのは、バイデン氏のパフォーマンスだ。高齢による「心身や認知能力の衰え」が不安視される中、力強い言動を見せることは発言内容以上に重要だ。
「元気」アピールできるか
高齢不安について「仕事ぶりを見てほしい」と語ってきたバイデン氏だが、5月のハーバード大学などの世論調査では63%が「大統領として年を取り過ぎているとバイデン氏(の言動)は示している」と回答した。さらに49%が大統領の仕事ぶりが「悪化している」と回答。「改善している」は28%にとどまり、イメージを好転させるのは容易ではない。
ただ、バイデン氏はホワイトハウスでの公務に比べて、選挙集会など政務になると、声量や身ぶりが大きくなる傾向がある。討論会でどちらの面が出てくるかが、一つのカギになる。
挑戦者、攻め手は十分
一方、トランプ氏の出方も注目だ。現職として挑戦を受ける立場だった前回から一転し、今回は挑戦者として臨む。国境管理の混乱やバイデン政権下で進んだ物価高(インフレ)など政策面で攻め手は十分ある。
有権者も「トランプ政権時代」に好印象を持っている。米紙ニューヨーク・タイムズの4月の世論調査では、42%が「おおむね良かった」と回答し、「おおむね悪かった」(33%)を上回った。逆に「バイデン政権時代」は、「おおむね悪かった」(46%)が「おおむね良かった」(25%)を上回っている。
トランプ氏は今回、真っ向から政策や実績面で論戦を挑むのか、それとも4年前の討論会のように相手を妨害するような振る舞いをするのか。
米メディアによると、ライバルのバイデン氏の陣営もその出方を読み切れず、側近との模擬討論ではさまざまな「トランプ氏」を見立てて練習を繰り返しているという。【ワシントン秋山信一】
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