英国のスナク首相(保守党)の側近らが7月4日の総選挙日程を事前に知りながら選挙日を予想する賭けをしていた問題で、保守党は6月25日、疑惑のある2人の候補者の公認を取り消した。疑惑は拡大して逮捕者まで出ており、投開票まで1週間となる中、支持率が低迷する保守党にさらなる打撃となっている。
英メディアによると、公認を取り消されたのはスナク氏の議会担当秘書官だったクレイグ・ウィリアムズ氏ら2人。スナク氏が5月22日に「7月の選挙実施」を発表する数日前、ウィリアムズ氏は「選挙は7月」との予想に100ポンド(約2万円)を賭けた。当時、選挙は秋ごろとの見方が一般的だった。仮に内部情報を使って利益を得ようとした場合、刑事罰の対象となるため、政府の賭博規制当局が調査に乗り出した。
保守党関係者ではこの2人を含め、数人に対して当局が調査中という。このほか、スナク氏の警護担当だった警察官1人が同様の賭けをした疑いで警察に逮捕された。
英国ではスポーツや政治の結果を予想する賭けが合法化されている。BBC放送によると、人口約6700万人の英国で、約2250万人が月に1回は賭けをしているという。【ロンドン篠田航一】
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