イスラエルがイランによる報復攻撃に対し、どのような反撃を行うかについて方針を固めたと地元メディアが報じました。現地の専門家は、「反撃しないと抑止力が成り立たなくなる」などと必要性を主張しています。
イランがイスラエルに対して行った大規模な報復攻撃。対応を協議するため、イスラエルの戦時内閣は連日、会合を開いています。
反撃内容をめぐり、これまでは意見が割れていたということですが、16日の協議について地元メディアはこのように報じました。
地元メディア(16日の協議について)
「(戦時内閣は)どのような攻撃をするかについて方針を固めた」
ただ、いつ行うかは決まっていないということです。
アメリカのCNNテレビは当局者の話として、イスラエルがイラン領内に限定的な反撃を検討しているとの情報があると報道。また、NBCテレビは、イスラエルに隣接するシリアやレバノンを拠点とする親イラン勢力を狙うことも選択肢に入っているとしています。
イスラエルの安全保障系シンクタンクの専門家は、「反撃しなければ抑止力が成り立たなくなってしまう」と話します。
イスラエルのシンクタンク所属 ベニ・サブティ氏
「イスラエルが反撃しないことでイランは誤ったメッセージを受け取ることになり、そうなればハマスのようになるでしょう。頻繁にミサイルを発射してくることになりかねません」
そして、「何らかの軍事的な対応が必要だ」との考えを示しています。
一方、各国はイスラエルに抑制的な対応を求めています。
イギリス スナク首相
「急激なエスカレーションは誰の利益にもならない」
イギリスのスナク首相が「冷静な判断」を訴えたほか、ドイツのベアボック外相はイスラエルを訪問し、緊張の緩和を求めるものとみられます。
イスラエルメディアによると、最新の世論調査ではイランへの反撃について同盟国との関係が損なわれるなら「反対」だと答えた人は74%で、「賛成」と答えた人は26%にとどまったということです。
イランは「これ以上の緊張の激化は望まない」とする一方、「反撃されれば即時に報復する」ともしていて、イスラエルの出方が注目されます。
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