英国訪問中の天皇、皇后両陛下は25日、ロンドンで歓迎式典に臨まれ、英王室との交流がスタートする。天皇陛下とチャールズ国王は40年来の交流がある。家族ぐるみの皇室と英王室の付き合いの中でも、旧知の間柄だ。
陛下が国王と初めて会ったのは、1983~85年のオックスフォード大への留学中だった。ダイアナ妃も含めてオペラを鑑賞するなどし、親交を深めた。
84年夏、エリザベス女王から「夏の離宮」であるスコットランドのバルモラル城に招かれた時も国王が一緒だった。サケ釣りでは国王が自分のさおを貸して毛針で釣る方法を教え、腰まで水につかってフライフィッシングを楽しんだ。今月19日の記者会見では「近くで大きな魚が跳ねるのを見たのですが、二人とも収穫はありませんでした」と振り返り、記者を笑わせた。
91年9月、日本文化紹介事業「ジャパンフェスティバル」に出席するため訪英した際は、互いに皇太子の立場でさまざまな行事に参加。野だての茶を飲んだり、ロボット展の開会式に出席したりした。01年5月に英国で開かれた日本文化を発信するイベントでは、2人で阿波踊りの輪に飛び込んでステップを踏み、文化交流をもり立てた。
国王はこれまで5回来日している。86年5月の来日時は衆院本会議場で演説し、陛下の英国留学を「英国人にとって大きな名誉」と表現。「もっとも、留学先の選定に意見が求められていたら、私の母校ケンブリッジをお薦めしていた」とユーモアも交え、議員の笑いを誘った。陛下の案内で京都も訪ねた。
英王室以外の欧州の王室の結婚式や即位式などでも顔を合わせている。06年、陛下の留学記「テムズとともに」の英訳版が出版された際は国王が推薦文を寄せた。「観察眼、繊細なユーモアのセンスがある」と本を紹介し、「日英には、皇室と王室との固い絆を反映した親密な友情がある」と記した。【山田奈緒】
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