岸田文雄首相は15日午後(日本時間16日未明)、スイス中部ビュルゲンシュトックで開かれたウクライナの平和に関する国際会議「世界平和サミット」で演説した。「公正かつ永続的な平和をウクライナで実現することは、国際社会全体を分断・対立ではなく、協調の世界に導いていくために象徴的に重要なことだ」と指摘した上で、「日本はウクライナの美しい大地に平和を取り戻すべく、国際社会と緊密に協力し、取り組みを継続する」と支援継続を改めて表明した。
首相は演説で「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれないとの考えの下、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を実施してきた」とこれまでの取り組みを振り返った。その上で、ウクライナに侵攻したロシアを念頭に「ウクライナに一日も早く平和をもたらしたいと望んでいる。その平和は、力や威圧による一方的な現状変更の試みを正当化するようなものであってはならない」と述べた。
また首相は、平和サミットのテーマの一つである原子力安全に言及し、「議論に積極的に貢献していく」と強調。人道問題の重要性を指摘した上で「ウクライナの人々が安心して日々の生活を取り戻せるよう、電力分野や地雷除去分野での取り組みを強化していく。日本ならではの形で貢献していく」と表明した。【チューリヒ影山哲也】
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