イスラエル北部で13日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラによる大規模な砲撃があり、中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによると、ゴラン高原など数カ所で火災が発生した。約150発のロケット弾が一斉に発射されたといい、昨年10月に交戦が始まって以来、最大規模の攻撃だったと報じられている。
ヒズボラは声明で、複数のイスラエル軍の拠点を標的にしたと発表した。死者はなかったとみられる。一方、イスラエル軍は報復としてレバノン南部を空爆した。
レバノンでは11日、ヒズボラの幹部がイスラエル軍の攻撃により死亡した。ロイター通信などによると、この幹部は昨年10月以降に殺害された戦闘員の中で最も高位だったとされ、ヒズボラは12日から報復攻撃を強めていた。
ヒズボラとの交戦が激化する中、イスラエル政府の報道官は13日、「外交もしくはそれ以外の方法で北部の治安を確保する」と語り、軍事攻撃の拡大を示唆。ガンツ前国防相も13日、地元メディアのインタビューで、ヒズボラが攻撃をやめなければ「レバノンは燃え上がる」と警告した。
ロイター通信によると、レバノンではこれまでにヒズボラの戦闘員300人以上と民間人約80人が死亡。イスラエル側では兵士18人と民間人10人が死亡している。
一方、米中央軍は13日、アデン湾を航行していたウクライナの貨物船がイエメンの親イラン武装組織フーシ派によるミサイル攻撃を受け、乗組員1人が重傷を負ったと発表した。フーシ派はイスラエルに関連する船舶を標的にするとしているが、この貨物船はイスラエルとは無関係だったとみられる。【カイロ金子淳】
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