【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は16日、ドイツのショルツ首相と北京の釣魚台迎賓館で会談した。外務省によると、習氏は「両国は長期的、戦略的な観点から二国間関係を発展させ、世界にさらに多くの安定性と確実性をもたらすために協力すべきだ」と呼び掛けた。
中国は欧州各国との関係強化を急いでいる。米国が「対中包囲網」の強化、拡大を図ろうとしていることに対抗する狙いがある。今春には習氏が今年初の外遊としてフランスを訪れる見通しが伝えられている。
習氏は「人類、社会が直面するリスクと課題は増えており、これらの問題を解決するには大国の協力が欠かせない」と主張。ドイツ側に対し「中独は世界2位と3位の経済体であり、両国関係を強固にして発展させる重要性はユーラシア大陸や世界全体にも重要な影響がある」と訴え、関係強化を求めた。
中国経済が成長鈍化に直面する中で、海外から投資を呼び込みたいという事情もうかがわれる。
会談では、ウクライナ侵略を続けるロシアへの対応についても議論した。習氏は「中国はウクライナ危機の当事者ではないが、一貫して自らの方式で和平を促している」と強調した。
パレスチナ自治区ガザの情勢についても意見交換を行い、双方は「情勢のさらなる悪化を避ける」ことで一致した。
欧米が懸念する中国の過剰生産能力の問題についても会談で取り上げた。習氏は「客観的、弁証法的に生産能力の問題を扱うべきだ」と主張した。
中央テレビによると、ショルツ氏は「ドイツは、欧州連合(EU)が中国との関係を良好に発展させることを促進するため積極的な役割を発揮したい」と表明した。
ショルツ氏が訪中して習氏と会談するのは2022年11月以来。ショルツ氏は14~16日に訪中し、重慶、上海、北京を訪れた。
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