ロシアによる侵攻で甚大な被害を受けているウクライナの再建を協議する「ウクライナ復興会議」が11日、ベルリンで始まった。日本を含む約60カ国から官民の2000人以上が参加し、12日までの日程で経済やインフラ、教育などの分野で支援策を話し合う。
ウクライナのゼレンスキー大統領は会議の冒頭、同国の昨冬の電力消費量は18ギガワットだったが、ロシアからの攻撃で3月以降、9ギガワット分の発電能力を失ったと述べ、エネルギー分野での支援や投資の必要性を訴えた。ドイツのショルツ首相は、今後10年でウクライナの復興に5000億ドル(約78兆円)が必要との世界銀行の試算を紹介し、「ウクライナには大きなポテンシャルがある」として積極的な投資を約束した。
会議は2017年、ウクライナの民主化や経済成長を後押ししようと「ウクライナ改革会議」としてロンドンで初めて開かれた。22年にロシアの侵攻が始まってからは復興に焦点を当て、毎年開かれている。
また、会議に先立つ10日、ウクライナの復興に向けた日本側の協力を確認する「日・ウクライナ官民ラウンドテーブル」(経済産業省など主催)がベルリンの在ドイツ日本大使館で開催された。両国の省庁や企業関係者100人以上が集まり、がれき処理や農業、風力発電、義足の提供などを巡って議論し、新たに23件の協力文書を交わした。【ベルリン五十嵐朋子】
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