不倫相手に支払った口止め料を不正に会計処理したとして有罪評決を受けたトランプ前米大統領(77)が10日、東部ニューヨーク市の保護観察当局の担当者とオンラインで面談した。AP通信が報じた。面談は刑事司法手続きの一環で、判事は量刑を決める際、担当者が面談後に作成した報告書を参考にする。
トランプ氏は滞在先の南部フロリダ州の私邸マララーゴで弁護人同席の下、面談に臨んだ。面談時間は30分未満だった。
ニューヨーク州では被告が重罪などで有罪評決を受けた場合、保護観察当局は量刑の言い渡し前に面談を行い、裁判所の指示に基づいて報告書を作成する。報告書には被告の経歴や量刑に関する勧告などが盛り込まれる。
トランプ氏の量刑は7月11日に言い渡される。前科がないことから実刑の可能性は低く、罰金刑や保護観察処分などが科せられるとの見方が強い。
一方、面談が弁護人同席の下、オンラインで行われたことを巡っては「特別扱い」との声も出た。被告が保護観察当局の面談を受ける際は一般的に対面形式で、弁護人の同席も許されていないためだ。ニューヨーク市の公選弁護人団体など4団体は10日、声明で「面談は量刑に影響を及ぼすもので、公選弁護人は依頼人と同席する(機会を)奪われている」と指摘。誰もが同じ条件で面談の機会を持てるよう当局に要請した。
トランプ氏は、初当選した2016年大統領選直前に不倫スキャンダルをもみ消すため不倫相手に支払った口止め料を不正に会計処理したとして起訴された。ニューヨーク州の裁判所の陪審は5月30日、34件の罪状全てで有罪評決を下した。トランプ氏は控訴する方針を表明している。【ニューヨーク中村聡也】
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