中国の高校生たちが一斉に挑む巨大テスト「高考(がおかお)」が、7日に始まりました。受験者数は過去最多の1300万人以上で、日本の大学入試共通テスト(志願者数49万人)に比べ、27倍以上という規模の大きさ。
過熱の背景には、中国社会の学歴志向の高まりがあるようです。
ゲン担ぎはチャイナドレス
受験生に熱烈な声援も この記事の写真 試験会場となった上海市の高校の前では、「統一文化考試」(高考)と書かれた横断幕の下で、母親たちが熱烈な声援を送っていました。
「加油(がんばれ!)」「落ち着いて!」
「高考(がおかお)」は、大学入学を目指す高校生たちが全国で受ける共通試験で、基本的にこの点数で合否が決まります。中国では「人生を左右する試験」とも言われます。
受験者数は去年から51万人増えて、過去最多の1342万人にのぼる見通し。7年連続の右肩上がりの増加で、上海市内だけで会場数は100か所を超えます。
中国では近年の景気低迷を背景に、若者の失業率が14.7%の高さに(今年4月)。就職を意識する若者たちの間で一層、学歴志向が高まっていると言われています。
合格のゲンげん担ぎとして、チャイナドレスを着た母親たちは「ドキドキしています。実力を発揮できるように祈っています」「高考は、子どもたちの最も重要な人生の節目です。だからこそ親として、励まし、サポートするのです」と、どの母親も祈るような表情でした。
「公正な試験」通信会社も協力
中国で「高考」の存在感が増す中、カンニングなどの不正には厳しい目が向けられています。政府は「違法・犯罪行為を厳しく取り締まり、大学入試の安全を全力で維持する」と力強く宣言しています。
スマートフォンなどの会場への持ち込みは厳禁。受験生や親などを対象に、政府や省は「通報電話」も設置しました。通報があれば、「できるだけ早く検証、調査、対応し、大学入試の公正公平を断固として維持する」と言います。
試験前日の6日、同僚たちのスマートフォンに突然、見慣れないメールが届きました。
「7日〜9日の入試期間、会場周辺では信号遮蔽器をオンにします。試験終了後、正常に戻します」「周辺の携帯電話の信号に影響を及ぼす可能性があります」
公正な試験環境のため、会場の通信を遮断する―。そんな通信会社からのメールだったのです。その末尾には「(皆さんの)理解と支持に感謝!」との言葉が。
パトカーや警察官も配置され、受験生と保護者でごった返す会場前からは、国を挙げての巨大テストの熱気が伝わってきました。
7日に始まった高考は、地域によって3日間〜4日間は続くことになります。
(テレビ朝日 上海支局)
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