救助した乗組員を舞鶴海上保安部の巡視船「わかさ」に搬送する訓練をする米国沿岸警備隊のヘリコプター=丹後半島沖の日本海で2024年6月6日午後0時半、塩田敏夫撮影

 日米韓3カ国の海上保安機関による初の合同訓練が6日、丹後半島沖の日本海であった。2023年8月の日米韓首脳会談(米国キャンプデービッド)の声明に基づくもので、3カ国の巡視船・警備艦は合同で船舶事故を想定した捜索・救助訓練を実施した。

 訓練は、韓国と米国の船が海上で衝突、炎上し、乗組員16人が救命いかだで脱出、10人が海に飛び込んだとの想定。韓国から救助要請を受けた日本が米国と連絡を取り、3カ国共同で捜索・救助活動を行うもので、舞鶴海上保安部の巡視船「わかさ」(1500総トン)、米国沿岸警備隊の巡視船「ウェイシー」(4500総トン)、韓国海洋警察庁の警備鑑「太平洋16」(3249総トン)が参加した。

救助訓練を修了後、交流する(左から)韓国、日本、米国の搭載艇=丹後半島沖の日本海で2024年6月6日午後1時15分、塩田敏夫撮影

 訓練は、事故情報を伝達し、捜索区域を分担することからスタート。船とヘリコプターで捜索し、事故現場を確認するとそれぞれの搭載艇が現場に急行して救助活動を展開。米国沿岸警備隊のヘリコプターが漂流していた2人を救助し、日本の巡視船「わかさ」の甲板まで搬送した。最後に、3隻が共同で消火訓練を実施した。

 訓練後、第8管区海上保安本部(本部・舞鶴市)の村上歩・救難課長が記者会見し、「事故もなく、3カ国の連携・協力体制の強化を図れたことに安心した。英語で会話したが、搭載艇の救助時のコミュニケーションが今後の課題だ」と語った。【塩田敏夫】

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