休憩を終えて法廷に戻るトランプ前大統領(右)=米ニューヨークで2024年4月15日、ロイター

 トランプ前米大統領が不倫の口止め料を不正に会計処理したとされる事件をめぐる15日の初公判は午前10時ごろに始まり、数回の休憩を挟んで午後4時40分ごろまで6時間半以上に及んだ。複数の米メディアによると、トランプ氏は法廷で居眠りをしているような様子も見られたという。

 公判の様子をライブブログ形式で伝えた米ニューヨーク・タイムズによると、公判の序盤でトランプ氏はややうつむいて口元がゆるみ、弁護士が渡したメモにもしばらく反応しなかったという。トランプ氏は前回2020年の大統領選で、ライバルのバイデン大統領を「スリーピー(眠たい)・ジョー」とやゆしたことがあった。

 この日は午後から、有罪か無罪かを判断する12人の陪審員と6人の補欠を選ぶ手続きも始まった。トランプ氏は判事がいったん退廷すると弁護士に何かをまくし立てていた。しかし、入廷した96人の陪審員候補に被告として紹介されると起立して振り向き、運命を決めることになる陪審員候補に向かって笑顔を見せた。

 6~8週間続く公判は水曜を除いて毎週4回開かれ、原則としてトランプ氏本人の出廷が求められる。無断で欠席すれば逮捕される可能性もある。

 閉廷後、疲れた表情で記者団の前に姿を見せたトランプ氏は「息子の卒業式にも出席できない」と不満をぶちまけた。弁護団は、5月中旬に控える息子バロンさん(18)の高校の卒業式を含むいくつかの日程の除外を申請したが、判事は「裁判の進行状況次第だ」として判断を先送りした。【ニューヨーク八田浩輔、中村聡也】

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