日中の研究者らが参加するシンポジウム「変貌する北東アジア国際秩序―今後の日中両国の役割」が4日、東京都内で開かれた。上海国際問題研究院(SIIS)の李開盛副院長は「北東アジアには安全保障に関する有効な対話の場がない。これがこの地域の安定を脆弱(ぜいじゃく)なものにしている」と述べ、かつての北朝鮮の核問題を巡る枠組み「6カ国協議」のような仕組みが必要だとの見解を示した。
日本国際フォーラム(JFIR)やSIIS、早稲田大学現代中国研究所などの共催で、日中の専門家間の対話を促進する狙いで開かれた。
日本側で基調報告した青山瑠妙早大教授は、戦後の日中関係の進展を振り返ったうえで、訪中日本人の短期ビザ(査証)免除措置の復活などを念頭に「人的交流の障害を取り除く実務的努力」の必要性や、日本の経済関係者が安心してビジネスに取り組める環境整備の重要性などを強調した。
参加者からは台湾問題の行方や中国経済の現状のほか、中国に対する否定的な感情が高まっている日本国内の世論状況などについて質問が出た。【米村耕一】
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