米国のバイデン大統領は23日、首都ワシントンで国賓として招いたケニアのルト大統領と会談した。バイデン氏は会談後、ケニアを同盟国に指定する方針を表明。アフリカではロシアや中国が影響力を拡大しており、米国は安全保障や経済の面でケニアとの関係を強化し、アフリカ外交の拠点の一つとしたい考えだ。
ケニアが指定されるのは、日本や韓国、イスラエルなどと同様の「北大西洋条約機構(NATO)非加盟の主要同盟国」。サハラ砂漠以南のアフリカでは初めてとなる。両首脳は共同声明で「文化的なつながりを深め、経済成長の機会を拡大し、民主的な価値観への関与を深めることに全力で取り組む」とした。
アフリカでは、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて影響力を広げているほか、西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールでは2020年以降にクーデターが相次ぎ、実権を握った軍政がロシアとの関係を強めているとされる。とりわけ米国がこの地域でのイスラム過激派対策の拠点としてきたニジェールからは、9月15日までに駐留する米軍約1000人が撤収することが決まっており、対テロ作戦の見直しが急務になっている。
バイデン政権は22年に8年ぶりとなる米アフリカ首脳会議をワシントンで開催。ブリンケン国務長官が今年1月にアフリカの各国を歴訪するなどし、立て直しを図っている。【ワシントン松井聡】
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