イランのライシ大統領らを乗せたヘリコプターは19日、同国北西部・東アゼルバイジャン州を飛行中、悪天候のため墜落したとされる。事故原因の詳細はイラン当局が調査中だが、当時、同行する別のヘリに乗っていた大統領府のエスマイリ首席補佐官の話から、事故の経緯が少しずつ明らかになってきた。ライシ師やアブドラヒアン外相は、遺体の状況から即死だったとみられるという。
国営メディアの取材に応じたエスマイリ氏によると、ライシ師ら政府高官は19日午後1時ごろ、隣国アゼルバイジャンとの国境付近でダムの落成式に出席後、3機のヘリに分乗して州都タブリーズへと出発した。このときは天候に問題はなかったという。
3機はライシ師を乗せたヘリを真ん中に挟む形で飛行を続けていた。だが、出発から約45分後、ライシ師のヘリのパイロットが雲を避けるために高度を上げるよう指示。その後、他のヘリからは同機が突然見えなくなり、無線連絡もつかなくなった。
残された2機は、雲のために高度を下げて捜索することができず、そのまま飛行を続け、近くの銅鉱山に着陸。ライシ師のヘリの搭乗者に連絡を試みたところ、同乗していた聖職者とつながった。この聖職者は「谷に墜落した」と語り、自身の容体も悪いと述べたという。この聖職者も数時間後に死亡した。
翌20日午前、山中で事故機の残骸が見つかり、ライシ師らの死亡も確認された。【アンマン金子淳】
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