米国のサリバン大統領補佐官は19日、訪問先のイスラエルでネタニヤフ首相らと会談した。ホワイトハウスによると、サリバン氏はイスラエル側に、パレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファでの大規模な地上作戦に反対するバイデン政権の「従来の立場」を改めて伝えた。市民の犠牲を最小限に抑える方策についても協議した。
イスラエル軍はラファでの作戦について「限定的」だと主張するが、戦闘の範囲は徐々に拡大している。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ラファから退避した市民は約80万人に上り、人道危機は深刻化。サリバン氏はイスラエル側に対し、標的をより絞った作戦にするよう求めたとみられる。
ネタニヤフ氏を巡っては、軍事作戦で「出口戦略を欠いている」との批判が高まっている。サリバン氏もイスラエル側へ、ガザを支配するイスラム組織ハマスの持続的な弱体化や、ガザのより良い将来につなげるため、政治面での取り組みの必要性を強調した。
一方、米国内では、ガザでの停戦を求める学生らのデモが広がり、イスラエルの後ろ盾となってきたバイデン大統領の支持離れにつながっているとされる。
バイデン氏は19日に南部ジョージア州を訪れ、歴史的に黒人の学生が多いモアハウス大で演説し、「平和的で非暴力的な抗議活動を支持する」と表明。「罪のないパレスチナ人が巻き込まれ、皆さんの心を傷つけている。私の心もだ。あなた方の声に私は耳を傾けると約束する」と述べた。
ただ、報道によると、一部の学生はパレスチナ旗を掲げ、バイデン氏に背中を向ける学生もいたという。【ワシントン松井聡】
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