全米各地の大学でガザでの戦闘に抗議するデモが起きるなか、バイデン大統領はジョージア州にある大学の卒業式で演説し、戦闘休止の必要性を改めて訴えました。

バイデン大統領
「ガザは人道的な危機だ。だから私は即時の戦闘休止と人質の解放を呼び掛けてきた。戦闘休止のために私は24時間態勢で取り組んでいるのです」

 バイデン大統領は19日、ジョージア州にあるモアハウス大学の卒業式で演説しました。

 バイデン大統領はイスラエルとハマスの戦闘が続くガザの状況は「人道的な危機」だと指摘し、大学での抗議デモを念頭に「多くの人々を怒らせ、苛立たせ、傷つけていることを知っている」と述べました。

 また、パレスチナ問題は「世界で最も複雑な問題のひとつで、解決は容易ではない」としたうえで、バイデン政権として即時の戦闘休止を24時間態勢で働き掛けていると強調しました。

 卒業式の会場ではバイデン大統領に背を向け、右のこぶしを挙げて抗議する学生がいましたが、大きな混乱はありませんでした。

 ところで、モアハウス大学は公民権運動を率いたキング牧師を輩出した黒人の大学として知られています。

 黒人の有権者の大多数はこれまで民主党を支持してきましたが、ニューヨーク・タイムズの最新の世論調査によりますと、共和党のトランプ氏が大統領選の激戦州で黒人の20%以上の支持を集めています。

 バイデン大統領としては黒人の名門大学の卒業式に出席し、黒人に寄り添うメッセージを発信することで、激戦州での黒人票の「バイデン離れ」を阻止したい考えです。

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