千葉市動物公園(同市若葉区)は、ゴリラの展示場を野生に近づけるといった飼育環境の改善を目的に、目標額1900万円のクラウドファンディング(CF)を始める。動物にとって負荷の少ない環境で飼育する「動物福祉」の向上を追求するとともに、ゴリラの種の保存のため、環境を変えて野生本来の能力や行動を引き出す「エンリッチメント」を行い、学術的な検証に役立てるのが狙い。
CFの目標は2段構え。まず、第1目標(目標額1050万円)の達成で、展示場に野生のゴリラが好んで食べるとされるショウガ科を含む16種類の植物を植える。第2目標(同1900万円、第1目標から850万円プラス)で、学術的検証のためのモニタリングカメラやミスト装置を設置する。ゴリラの認知力の検証は千葉大と共同で実施。快適な環境の検証にはミストを設置し、木更津高専と連携する。
期間は7月16日午後11時まで。返礼品はゴリラを描く画家、阿部知暁(ちさと)さんが描いた油彩ポスターや、フェアトレードコーヒーなどゴリラの生息地を支援する商品やゴリラと至近距離で会える一般非公開のバックヤードツアーなど。
現在、ゴリラは国内6園で20頭が飼育されている。同公園にはオスの「モンタ」=同公園所属、メスの「ローラ」=上野動物園所属=がいる。千葉市動物公園の所属は、モンタと上野動物園のメス3頭、京都市動物園のオス2頭と合わせ、国内最多の6頭。【柴田智弘】
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