厚生労働省は13日の社会保障審議会年金部会で、公的年金の支給額を示す「モデル年金」について、従来の「サラリーマンの夫と専業主婦の妻」だけでなく、共働きや単身など複数パターンで示す案を示す。未婚化や働き方の多様化による家族の形の変化に対応したい考えだ。
年金額は物価や賃金の変動に伴い4月に改定されるが、男性の平均的な賃金(賞与含む月額換算43・9万円)で40年間働いた夫と専業主婦の世帯を想定し、年金支給額(2024年度では23万483円)を示してきた。
この日の部会では、単身や共働きも想定。正社員だけでなく、短時間労働者や自営業など就業形態も多様化した。収入についても平均的な収入の0・75倍から1・25倍の幅を持たせ、全25パターンが示された。
24年度の水準に当てはめると、▽共働き世帯で夫婦ともに平均的な収入なら29万4977円▽平均的な収入の1・25倍の独身男性では厚生年金が18万6104円▽国民年金だけの単身世帯は6万8000円――などだ。厚労省は意見を踏まえ年末までに最終案を決め、来年度改定で採用するか検討する。
従来のモデル年金は、現役世代の手取り収入に対する年金支給額の比率を示す所得代替率の50%維持を測る目安として用いられている。ただ、これまでの年金部会で「共働きや単身世帯が増加する中、実際の年金の給付水準の目安を知る必要がある」との指摘が上がっていた。【宇多川はるか】
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