完成すると高さ約3メートルの大わらじになる。JR御殿場駅通路に展示されていた昨年の大わらじ=静岡県御殿場市で、2023年6月12日午後1時57分、石川宏撮影
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 「御殿場わらじ祭り」のシンボルである大わらじ作りが11日、静岡県御殿場市東山で始まった。大わらじは長さ約3メートルで、片方だけで重さ約100キロ。11日は御殿場わらじ祭り保存会会員と高校生6人を含むわらじ作りボランティアの計約30人が、大わらじに使われる大縄をなった。

 参加した約30人は左右2列に分かれ、1列ごとに12本の細い縄をまとめて手に持った。「せーの」「よいしょ」の威勢のよい掛け声で左右の縄を交換。縄をより合わせて、1本の大縄に仕立てていった。

 江戸時代に富士山を信仰する富士講が盛んになると、御殿場は富士登山の拠点となり、当時の登山の必需品だったわらじ作りが農家の貴重な現金収入として定着した。大わらじには、登山の無事や健脚祈願、良縁祈願の思いが込められ、富士山山開きの7月1日に地元の新橋(にいはし)浅間神社に奉納される。

 初めて参加した御殿場高2年の狩俣小夏さん(16)は「地域の人が協力して一つのものを作り上げるのはすごいこと。自分も協力できてうれしい」と話した。【石川宏】

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