大津市大萱6の県道交差点で車同士の衝突に巻き込まれ、散歩中の保育園児ら16人が死傷した事故は8日、発生から5年を迎えた。事故を教訓に行政や警察は交通安全対策に取り組んで来た。長年、交通事故原因などの分析を続けている福山大の関根康史准教授は「相手は自分を認知しているだろうと相手がしてくれることを期待するのではなく自分から事故を避けること」と強調する。【菊池真由】
「かもしれない運転」を
◆事故は前方不注視の右折車と対向の直進車が衝突して起きた。
交通事故の中でも前方不注意の事故は多い。もし、前方不注意の右折車が来た場合、直進車はブレーキを踏んでとどまること。ハンドルで回避しようとしても交差点は面積に限りがあり、ぶつかる。
右折というのはかなり神経を使う作業。直進車に注意することはもちろんだが、(曲がった後に)横断歩道があった場合、歩行者や自転車にも注意をする必要がある。
◆運転手はどのようなことを心掛けて運転をすれば良いか。
「かもしれない運転」をすること。止まってくれるだろう、自分を認知してくれるだろうの「だろう運転」では、自分の思った通りに相手が動かないと事故になる。狭い道から出るときに片方だけ見ていて逆方向から来た自転車などをひいてしまうケースもよくある。また、信号の変わり目には無理しないで止まることなど用心深い運転が必要だ。
車道から離れ待つ
◆園児が巻き込まれた事故。子どもや周りの大人が気を付けることは何か。
信号待ちをする時には、車道の近くだと車が飛んでくる可能性もあるので、車道から離れたところで待つこと。集団通学する場合、歩道と車道が分かれているところやガードレールが設置されている道を選んだ方が良い。警察官に頼み、監視をしてもらってもよいと思う。また、通学時間帯に幹線道路が渋滞して、生活道路に多くの車が流れてくるような道路を通学路にしている子どもは危険にさらされることが多い。通学時間帯によってはバリケードを作り、歩行者と自動車を分離している学校もある。
ガードレール設置
◆道路状況においてどのような整備が必要か。
交通事故は、「人・道・車」の三つの要因が複雑に絡み合って発生する。道路の形状が要因で起きている場合だと道路の改良をしたり、ガードレールを作ったりする。事故発生原因を究明し、それぞれの道路状況にあった整備が必要だ。
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