警視庁=米田堅持撮影

 オーストラリアで経営する売春店で働くよう日本人女性を勧誘したなどとして、警視庁保安課は9日、国内のあっせんブローカーで会社役員の男性ら3人を職業安定法違反(有害業務の募集など)の疑いで再逮捕したと発表した。

 男性らはオーストラリアで売春店を経営。海外の売春ブローカーの間で「外国人に人気が高い」とされる日本人女性を働かせ、2022年11月からの約1年間で約4000万円を売り上げたとみられる。

 再逮捕されたのは、東京都品川区東品川5の会社役員、臼井良夫(54)や府中市栄町1の会社役員、大原洋介(44)ら3被告=職業安定法違反で起訴。

 再逮捕容疑は23年3月、インターネットの求人サイトを見て応募した30代女性を、シドニーで経営していた売春店「244パディントン」で働くよう勧誘したなどとしている。3人はいずれも「間違いない」と容疑を認めているという。

 警視庁によると、臼井容疑者らは「オーストラリア出稼ぎエージェント」と称するサイトなどを通じ、「ワーキングホリデーで渡航すれば、オーストラリアでの売春は違法にならない」と女性を勧誘していた。

 現地の売春店では、常時2~3人の女性が働き、大半が日本人だった。応募した30代女性は23年4月から約3週間、店に泊まり込みで働き、報酬として約95万円を受け取っていた。女性は当時、現地に滞在中で、「留学中にお金がなくなり、申し込んだ」と話しているという。

 臼井容疑者ら3人は4月、女性2人に米国での売春を紹介したとして職業安定法違反(有害業務の紹介など)の疑いで逮捕され、その後、起訴されていた。臼井容疑者は、21年ごろから米国やカナダ、オーストラリアなどの現地の売春ブローカーに「200~300人の日本人女性をあっせんした」と供述しているという。

 また、臼井容疑者は「ホストクラブでの売掛金の返済や、高額なシャンパンタワーの注文などの遊興費目的で働きたい女性が多かった」と説明。警視庁は、ホストクラブでの支払いに窮した女性を海外での売春にあっせんするルートがあるとみて、実態解明を進めている。【加藤昌平】

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