公営斎場の利用者の個人情報を提供した見返りに業者から現金を受け取ったとして、大阪府警は8日、大阪府八尾市職員、西川雅昭容疑者(59)を地方公務員法(守秘義務)違反と加重収賄の疑いで逮捕した。府警は約3000人分の情報が業者に流れ、営業活動に使われた可能性もあるとみて捜査している。
西川容疑者に現金を渡したとして、東大阪市の葬儀関連商品販売業、木下昌宏(61)と、木下容疑者の店のアルバイト、多田井武男(76)両容疑者も贈賄容疑で逮捕された。木下容疑者の店は線香や仏壇仏具などを扱っていた。
逮捕容疑は、西川容疑者が2022年10月~23年10月に約280回にわたり、勤務する八尾市立斎場の利用者約3000人分の氏名や住所を木下容疑者らに提供。木下容疑者らは謝礼として現金40万5000円を渡したとしている。府警は3人の認否を明らかにしていない。
捜査2課によると、西川容疑者は、利用者が提出した火葬許可証に書かれていた個人情報を別の紙に写し、八尾市内の路上で木下容疑者らに渡していたという。
八尾市によると、西川容疑者は1992年に市職員として採用され、96年から市立斎場で勤務。09年から現場の責任者である技能長(場長)を務めている。23年3月、西川容疑者が個人情報を漏らしているとの匿名の通報があり、同11月に市が府警に相談していた。
逮捕を受けて記者会見した植島康文副市長は「市民の皆様に深くおわびします。事実関係を確認し、厳正に対処します」と謝罪した。市は9日、電話による問い合わせ窓口(072・992・2655)を開設する。【岩本一希、新宮達、川地隆史】
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