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今年のゴールデンウィーク、円安の影響で海外に行くことをあきらめた、そんな人もいらっしゃるのではないでしょうか。でも日本にもまだまだ知らない素敵な場所がいっぱいあるんです。今回は皆さんが意外と知らない「日本の魅力」を解説します。
皆さんもこの機会に都道府県のイメージ、是非アップデートしてください。

■大阪:商店街まるごとホテル

大阪・東大阪市の布施商店街では商店街の活気を取り戻そうと、こんな取り組みをしています。それが、商店街丸ごとホテルです。

フロントは元洋品店。そしてこちらの客室は商店街の空き店舗をリノベーションしたおしゃれなお部屋で、元お菓子屋さんなんです。お風呂は銭湯で、朝食は近くの喫茶店のモーニング、とさびれてしまった商店街を丸ごと活かそうという試みなんです。

今ある資源を有効活用するというこの試み、シャッター商店街など落ち込んでしまった地域経済の活性化対策として、とてもいいアイディアですよね。観光客もレトロな雰囲気を味わえて町の人とも交流できる。これから外国人観光客にも人気が出そう、と注目されています。

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■大分:進撃の「日田」

■大分:進撃の「日田」

大分県に今外国人観光客に大人気の場所があります。それが日田。

世界的人気の漫画、「進撃の巨人」のキャラクターが町の各所にあるんです。

実は作者の諫山創氏の出身がこの日田市で、その縁で無料のミュージアムが作られるなど、町をあげて「進撃の日田」と盛り上げているんです。

ダムを壁に見立てたこの銅像、よくできてますよね。今聖地巡礼の人が世界中から訪れています。アイデアで今ある資源を有効活用する、そんな工夫をしている自治体が今増えているんです。

■埼玉:海がないのに!?最先端の養殖技術

海なし県で知られる埼玉県で、今養殖の取り組みが始まっているのをご存知でしょうか。特徴は使っている水が海水ではなく「水道水」であること。そこに塩を加えて海水と同じ塩分濃度にしているんです。

しかも、高度な循環装置を使っているので、水は使い捨てではありません。再度ろ過して使いまわしているんです。

そして水道水を使った養殖の最大のメリットが、アニサキスがつかないこと。
海に暮らすサバは餌を通して様々な寄生虫に感染します。でも管理された陸上養殖なら、網の隙間から他の生物が入り込むこともありません。安心して生で食べられるサバを養殖することができるというわけです。

こうした陸上養殖は各地に増えてきています。その背景にあるのが日本の海環境の悪化です。

日本の漁獲量は水質の悪化や乱獲などで今どんどん減ってきています。
そのため養殖はより大切になってきているんですが、そもそも養殖ができる海というのは限られています。

海面養殖は台風などの自然災害を避けるため、入江のようなところが適していると言われています。ただそういうところは限られています。なかなか思うように増やせないのが現状です。その点陸上養殖は小規模ならちょっとした場所でもできますし、届け出制で漁業権がいらないため、企業が参入しやすい、というのも大きな利点です。

最近では海流の変化や海水温の上昇によって獲れる魚も大きく変わってきています。
これまで鮭やイカが多かった北海道で最近ではブリの漁獲量が急速に増えています。

陸上養殖に獲れる魚の変化…日本の食卓が今変わりつつあるのかもしれません。

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■千葉:なぜ?世界の頭脳が終結!

■千葉:なぜ?世界の頭脳が終結!

千葉県のベッドタウン、印西市。ここに今日本の頭脳が集まっていること、ご存知でしょうか。それは今次々と建てられている、データセンター。グーグルやアマゾンなど名だたるIT企業がここに集まってきているのです。

データセンターとは一体なんでしょうか?建物の中は、何重にも厳重なセキュリティが施されています。その奥にあるのは、大量のサーバー。

このラック1台に家庭用PCなら1600台分くらいの性能をもつコンピューターが収められているのです。そのラックが見渡す限りに並んでいるのですから、まさに頭脳と言っても過言ではありません。実は皆さんがスマホなどインターネットでニュースを見るときもこうしたデータセンターを経由することがほとんど。データセンターはネット社会にはなくてはならない存在なのです。

ではなぜ、そんな大事な「頭脳」が印西市に集まってきているのでしょうか?理由は2つあります。
一つは災害に強い、安全な場所と言われていること。これだけたくさんのサーバーを置いているのですから地震や水害で停止したら大変です。でもこの場所は水害被害の可能性がとても低く、さらに地盤もいい、と言われているのです。もちろん日本はどの場所にいても地震は起きうるので、可能性が全くない、というわけではありません。

そしてもう一つの理由が電力です。データセンターには大量の電力が必要となりますが、この周辺にはそれが備わっているのです。なぜ電力に余裕があったのでしょうか。それは昔あった、千葉ニュータウン事業です。1960年代ごろ、この地域に最大34万人を住まわせよう、という壮大な計画があったんです。

でも、結局そんなにたくさんの人が住むことはありませんでした。言ってしまえば失敗と言われた事業でした。でもその計画にむけて準備していたおかげで大量の電力にも対応できた、そして印西市には固定資産税など税金の収入が増えたわけですから、結果としては成功だったのかもしれません。

日本に住んでいても知らないことたくさんありますよね。
でも逆に海外の人がたくさん魅力を教えてくれることもあります。私たちももっと日本を再発見していくことが必要なのかもしれません。

(5月4日放送「池上彰のニュースそうだったのか!!」より)

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