「止まれ!」と呼びかけながら電動キックスケーターを追いかけ、取り締まりの訓練をする警察官=札幌市中央区の道庁赤れんが庁舎前で2024年4月12日、後藤佳怜撮影

 札幌中央署と北海道道民生活課は12日、札幌市中央区の道庁赤れんが庁舎前で、電動キックスケーターの試乗会を開催した。昨年7月の法改正で一部が運転免許なしで乗れるようになり、道内でも利用の増加が見込まれることから、ルールの周知に力を入れ始めた。

 特定小型原動機付自転車に分類される電動キックスケーターは、改正道路交通法施行で、一定の条件を守れば16歳以上が運転免許なしで乗れるようになった。ただし、最速で時速20キロまで出せるほか、立ち乗りで重心が高く、バランスを崩して転倒する恐れがある。試乗した札幌中央署の郷司裕太巡査部長は「思ったより速度が出るので急停止できない。取り締まりで止まってくれない場合、けがをさせない配慮が必要だ」と話した。

 また、特定小型原動機付自転車はヘルメット着用が努力義務。同署の川野秀志交通第1課長は「安全のためにヘルメットをつけて、自転車と同じように原則、車道の走行を徹底してほしい。イヤホン装着やながらスマホは取り締まりの対象になる」と呼びかけた。

 特定小型原動機付自転車は都市部を中心に全国で利用が広まっている。道内でも19日から美瑛町で電動キックスケーターなどのシェアリングサービス「LUUP」(ループ)が導入される。川野課長は「札幌中央署管内で取り締まりや事故の事例はないが今後、増加が予想される。ルールの周知や警察官の訓練で安全に乗ってもらえるように備えたい」と話した。【後藤佳怜】

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