長崎市の平和宣言文起草委員会で意見を述べる被爆者の(左から)田中重光さんと八木道子さんら=同市平野町の長崎原爆資料館で2024年5月3日午前11時33分、尾形有菜撮影

 長崎原爆の日(8月9日)の平和祈念式典で、長崎市長が読み上げる平和宣言の起草委員会の初会合が3日、同市の長崎原爆資料館であった。委員の被爆者たちは、日本の防衛力増強で周辺国との緊張が高まることなどに懸念を示し、「(宣言に)平和憲法の堅持を盛り込むべきだ」と意見を述べた。

 被爆者団体「長崎原爆被災者協議会」の田中重光会長(83)は、4月の日米首脳会談で自衛隊と米軍の指揮統制の枠組み向上などが合意されたことを踏まえ、「憲法9条を守ることを強く訴えていかなければならない」と強調。修学旅行生らに被爆体験を証言する八木道子さん(85)は「絶対に過ちを繰り返してはならない。何のために日本の平和憲法があるのかを考えてもらいたい」と訴えた。

 起草委は、委員長の鈴木史朗市長を含め被爆者や有識者、大学院生ら15人で構成。7月までに開く3回の会合で委員が意見を述べる。【尾形有菜、樋口岳大】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。